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詩・散文・エッセイなんでもコォ━━━━щ(゚Д゚щ)━━━━イの徒然日記
今回は、昔ぼくがイギリスに一人旅行した時のことを書こうと思います。
あまり体裁のいい話ではないので気恥ずかしいのですが。

 田舎の町を転々とまわり、湖水地方に行った時のことです。
昼頃に小さな町につき、インフォメーションセンターでB&Bを探してもらい、宿について一安心したぼくはてくてくと散策に出かけました。
カフェでおいしいスコーンを食べて、緑あふれる田園風景に感心しながら歩いていると、丘の上を歩いている人を見かけました。
あの丘から眺める景色はいいだろうな、なんて思いついてちょっと登ってみようという気になったのです。

その時、もう陽は傾きかけていたのだと思います。
くねくねとした小道を登って丘の上からいい景色だなぁなんて喜んで一服していると、あたりはどんどん暗くなっていくではありませんか!
おお、これはまずい、降りよう、としたのですが、登ってきたときに見えた小道が暗くてもう見えないのでした。
季節は夏、とはいえ湖水地方、夜は肌寒く感じます。
そして下から見ると人の姿も見え、小さな丘と感じた丘陵は登ってみると山なのでは? と感じるほど高く感じられてしまいました。
本能的な危機感が働き、ぼくは「動いてはいけない」と思いました。
周りは牧草地帯らしくところどころ石を積んだだけの低い壁のようなものがあり、そこここで羊がベェェと鳴いているのが聞こえます。
夜は深まりぼくは己の浅慮を呪いながら、ああ、羊を抱いて眠れたら暖かろうなぁなどと思いながら一夜を明かしました。

夜が白んできた時は、ああ、やっとか、という気持ちでいたのですが、射し込んできた朝陽が山肌を照らした時の美しさには息をのみました。
少し歩くと切り立った崖のようになっているところがあり、下を見ればここから落ちたら助からんなというようなところに光が射す。
ちょうど『天空の城ラピュタ』のトランペットを吹くシーンに描かれているような絶景でした。

ぼくは思わず天国と地獄の結婚だ…とつぶやき、肝を冷やしたのでした。
明るくなりさえすれば秘密になっていた小道もありありと見え、ゆっくりと山を下りられました。
そのあと、宿の主人にもう一泊泊まってもいいかと尋ね、了承を得て一日眠っていたのでした。

笑えないバカで危険な話なのですが、ヒヤリハッと運転で済んでよかったと思います。
可愛い子には何とやらとも言いますし…。
同時にこの時の体験に人生の縮図を見る思いがしたりもするのです。
今は闇の中で小道が見えないかもしれない。
けれど夜が明けたらその小道はありありと見えるはずだから、ゆっくり手をつないで降りて行こう、と。
あとで風邪をひくこと請け合いですけどね!(笑)






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ニヒリズムとは
世界で最も価値あるものが
その価値を失いつつある状態
のことをいうのだという

実際
この世で最も愛すべき天使が
その羽をもがれ鎖につながれている姿を見て
人々が鬱にならずにおれようか!

『若きウェルテルの悩み』が出版された当時
小説でありながら
後追い自殺をする者たちが多くいたという
ウェルテルシンドロームを知っているだろうか

今起こっていることは
まぎれもなく意味のレベルの問題で
それはどうあがいても物理現象に還元はできない

種々の不合理に見える人間の反応が
了解可能な因果の輪の中にとらえ直されて初めて
最終的な秩序回復の可能性が見えるだろう





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僕らはただ、安心して暮らしたい
性や犯罪や病気の話はもううんざりだ

ドストエフスキーが現代にいたら
嬉々としてネットサーフィンに励んだかもしれないが

人の腹の内が見えると損をすることがある
昔であれば部屋の隅で膝を抱えて
うずくまっているしかなかったような人たちが
心を持ち寄れるというのは
メリットかもしれないが
おかげで痛くもない腹を探られたり
ネットの功罪か

人間社会には割り切れない部分がある
27人のクラスで2人組を作ってごらん
1人余るだろう?
それが、ぼくだ

そうめんの中に1本だけ赤いめんが混じっていたりするだろう
その異端児が、きみだ

何の話だ?
ともかくも打ち捨てられた余りがあればこそ
社会は割り切れているかのように見せておけるのだし
我々にも静かな暮らしは保障されるべきなのだ

今となっては
この混沌とした世界を避けて
限られた一隅だけでも秩序を保ち
家族という最小単位の幸福だけでも守りたい
というのが僕の心境なのです




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どうやったら会えるの?
そんな問いかけに
誰に会いたいかもわからないなら
会えるわけなかろう
と、無慈悲に答えそうになる私がいる

そんな願望を持つおなの子が
よからぬたくらみを持つ第三者によって
手ごめにされてしまう現実が
あるであろうことも
十分推察してる

やがてはその子の想いも勇気も願いもくじけ
始めからいねーよ
いるわけねーだろ
とひねこびた罵声が上がる

だがその言葉はまるで
キリスト教圏の無神論者のように響くのだ

あえてそのものの名を呼ばぬことにより
描き出そうとする何者かの輪郭
Xの値を求めたいなら
外堀を埋めよ

といっても
パズルのピースは欠けたところだらけだから
埋まらないのも無理はなく





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静かな湖畔に月が映っている
私は水面に顔を近づけて己の顔を見る
そして小石を一つつかんで湖に投じた
するとポチャンと水しぶきを上げて小石は落ちる
水面は波紋で乱れそれまで映していた月や私の顔は見えなくなる

思慮深い人の心は深い湖のようで
小石が底に到達するまでに時間がかかるのだ
しばしの沈黙ののち小石は人の心にふっと落ちる
するとどうだろう
光とともに湖の精が現れ
あなたが落としたのはこの小石ですか
それともこのダイヤモンドですか
それともこのサファイヤですか
このルビーですか
このオパールですか
このインカローズですか
などと尋ねてくれるのだ

そして私は…そのインカローズです
と言って石をもらうのだ
むろん嘘つきのそしりを免れることはできないが
こうして集めた宝石たちを眺めてそっと喜んでいる

けれど湖の精は湖の精で
私が投げ入れたただの小石を
水底に集めて喜んでいた
かどうかは定かではない






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自己紹介:
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またの名を窓際のニートットちゃん。
大航海時代Onlineで漂流中。


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